世界中から海洋哺乳類トレーナーが集まるIMATAカンファレンスとは一体どんなものなのか?

こんにちは!

この記事は若手飼育員向けなので悪しからず!

 

IMATAについて

まず、「IMATAって何?」という方のために簡単に説明させていただきますと、”IMATA”は”International Marine Animal Trainers’ Association”の略で、研修、公開展示、研究、畜産、保全、教育を通じて海洋哺乳類科学に携わる人々のコミュニケーション、プロフェッショナリズム、協力を促進するために設立されたものです。(IMATA公式ホームページより一部抜粋、和訳)

公式ホームページはこちらになりますので興味のあるかたは是非見に行ってみてください。https://www.imata.org/

 

 

なーんだ!海洋哺乳類に携わる人たちの協会?って事は、動物園飼育員の自分には関係ない話じゃーん!

と思った動物園の皆さん、待ってください!!!!!

 

海外?海外のカンファレンスなんか飼育員のこんなクソみたいな安月給じゃ行けないよ…!

って方も、ちょっと待って!!!!!(たしかにそうだから辛いけど)

 

例えば、キリン、ゾウ、クマ、鳥類など動物園で飼育されている動物たちの健康管理を、今後柵越しでもハズバンダリートレーニングによって行いたいという方がもしいるとしたら、もうめちゃくちゃ関係あります!!!

世界基準で見たらもうそれは当たり前にされてきている事ではありますが、例えば健康管理のために動物の身も自分の身も危険に晒して捕まえたりしなくていいというのは、どちらにとってもメリットのある事ですよね。

しかも、トレーニングというのは哺乳類に限らず様々な生き物に応用できるものなので、アニマルトレーニングを学んでおいて損はないのではないかなと思います。

(ちょっと今回はまだ使いこなせてないので載せられないんですが、オススメのアニマルトレーニング本、行動分析学を学べる本を後日しれっと更新して貼っておこうかなと思ってます笑)

 

そして何よりIMATAの中に身を置いて感じる事が出来るのは、人と動物の間にある“信頼関係”

これって、日本で下手に口に出したりすると、場合によっては袋叩きに合ってしまうワードだったりするんですよね。そりゃ相手はペットじゃなくて野生動物ですから、安易な考えで信頼関係という言葉を乱用(擬人化しすぎるなど)するのは良くないと思います。

でも、相手が野生動物であるというのをトレーナーがしっかりわきまえた上で動物としっかり向き合い信頼関係を築きあげていくのはとても素敵な事だと思いますし、そしてそれを観客に伝えるのも素晴らしい事だと思います。動物が不安を感じないよう徐々に上手くトレーニングを進めていく事で、最終的にはトレーナーが求めたことを動物側が何の躊躇もせず自主的に健康管理のために必要な行動をする。これはもはや出来て当たり前の世界ですが、それは信頼関係が成り立っていないことには成し得ない事です。

実際にIMATAのカンファレンスでは“絶対的な信頼関係を築き上げた特定のトレーナーにしか出来ないこと”なのだな、という内容も発表されていました。仕事としては、あのトレーナーがいないとあれが出来ないこれが出来ないというのは困りますから、本当のところはトレーナーが誰だったとしても同じ事を同じレベルで同じように出来るというのがマネージメントする側からしたら良いのでしょうが、実際のカンファレンスでは個々の信頼関係は実在するという事が証明されていました。

 

日本でトレーニングについて勉強しようとすると、みんなやり方が違うからお互いにああでもないこうでもないと批判し合い、どちらが優れているかと優劣をつけたがる人達がたくさんいて混乱してしまいます。え、いますよね??ごめんなさい黙りますね。

カンファレンスへ行けば、今まで自分がどれだけ狭い世界の中で成長しようともがき苦しんでいたのかわかると思います。アニマルトレーニングについてこれから先もっと学んでいきたいと思っている方は是非、お互いを批判し合うのではなく受け入れ合い、時に皆で平等な立場に立って議論をして、更に前へ進んでいこうとする海外のトレーナー達の空気に触れてほしいと思います。そういった面からもKen Ramirez氏のセミナーはもうめちゃくちゃオススメなので、また今度、これまたしれっとオススメ本貼っておきますね。

 

多くの飼育員が抱える不安

IMATAにも興味はあるし、カンファレンスにもいつか挑戦してみたいとは思ってるけど…ごにょごにょ…。と…。

多くの飼育員がカンファレンス参加を渋る理由はズバリ

お金がない!

英語できないから理解できない!

この2点です。

 

毎年様々な内容のプレゼンテーションが行われているカンファレンスなので、もちろんお金に余裕さえあれば毎年でも行きたいところですよね。でも、私たち飼育員のお給料ではよっぽどホワイトなところに務めるか正社員として採用されるかしないと到底無理ですよね…いや、正社員の給料でも厳しいか…。一人暮らしの方なんか日々生きていくのに精一杯ですよね…(悲しい)

だからって、IMATAの発信する情報を一切受け取れないかといったらそうではないんです。お金がない、英語ができないからって諦めないで!

IMATAへ所属したからといって必ずカンファレンスに参加しないといけないわけではなく、カンファレンスへ参加せずとも会員ページにてトレーニングに関するレポートやビデオなどを見て勉強したりする事もできます。そうすれば会費だけである程度海外からの情報を仕入れる事が出来るようになりますよね。

え?英語ができないから理解できるかわからない?

英文がわからなかったら丸ごとコピーして翻訳アプリにぶち込めばいいんですよ!単語でだいたいわかるから!

たしかにカンファレンスへ参加するとなると開催地によっては費用がかさむ事は間違いないですが、アジアなど近隣国で開催されるタイミングを狙って行けば、私のようにヨーロッパで大散財せずともカンファレンスに参加する事ができますので、とりあえず今はまだ無理だと諦めずにどんなもんなのか知っていっていただければなと思います。

 

実際にカンファレンスに参加してみた私が、後になってこうしておけば良かったなーと思っている段階を踏んだやり方があるので書いておきますね。

まず、興味があるならとりあえず会員になってみる!

そして会員ページから仕入れられる動物業界やトレーニングに関する専門用語をある程度勉強して英語で理解できるようにする!

自分にとっての絶好のタイミングを待って、カンファレンスへ行く!!

この方が、徐々に準備を進める事ができる上に一度に受けるストレスも少なく良かったんじゃないかなと思いました。

 

 

IMATAの登録システムについて

このIMATAという協会には、多くのアニマルトレーナーをはじめ様々な人が登録していて、原則的には年に一度更新が必要になるシステムです。

どのポジションで登録するかは選ぶ事が出来るようになっていて、STUDENT(会費40$)から実務経験が5年以上からなれるPROFESSIONAL(会費75$)まで、会員登録費用もそれぞれ違うので自分に適したポジションを選んで登録する事が出来ます。

登録時には、自分の所属している園館名や、自分の所属している園館で飼育している動物を学名で伝えたりなど必要な手続きがあります。ここがちょっとややこしくてわかりづらい場合があるので、ここでつまづいてしまった人がいればお手伝い出来る事があるかもしれないので私へ連絡ください。(Twitterアカウント@doltrainer)

また、業界人ではなくとも協会に登録をする事で、ある一定の情報を受け取ることが出来るポジションもあります。こちらはFRIENDS OF IMATAというポジションで、会費は200$です…!ホームページを見た感じ、会員として与えられた権限としてはだいたいSTUDENTと同等かそれ以下、といった感じでしょうか…。

 

 

カンファレンスについて

カンファレンスに参加するためには、会費とは別にカンファレンスへの参加費用を払う必要があります。カンファレンスの数ヶ月前くらい(春くらい)になると申し込み受付が始まるので、フォーマットを入力してカンファレンスへの参加申込&参加費用の支払いを済ませましょう。セミナーだけなど部分的に選んで参加することも可能なので、10日間も休みが取れない場合や近隣で開催される場合にはそういった選択肢を取るということもアリかもしれません。せっかく遠くまで行くならフルで参加したいところですね。ちなみに今回のカンファレンスでは、フルカンファレンスに$460.00(USD)と特別セミナーに$75.00(USD)それぞれ支払いました。(げろ高い…!!!)

これに往復航空券と滞在費を含めると…はい。これについての記事も後日まとめさせていただきます。(既に参加表明してる方、待っててくださいね)

 

年に一度開かれるカンファレンスの開催地は毎年変わります。私はポルトガル開催のカンファレンスへ行ってきたので、やはりヨーロッパにある遠い国ですから…そりゃもうすごい出費は不可避でしたが、それでも実際に足を運んで広い世界を目にしてみて、いまは「行ってよかった!」と思っています。

 

世界中からあらゆる業界関係者が集まってきていたのですが、やはりイルカをはじめとするアシカ、アザラシ、オットセイを担当するトレーナーが大半を占めている印象は受けました。プレゼンテーションの内容としては、繁殖やハズバンダリートレーニングについての発表が目立っていたように感じます。そして鳥類やワニ、大型動物のトレーニングについての発表もありましたし、これは動物園飼育員にとっても大変興味深い内容なのではまいかと思いました。

カンファレンスの大まかな流れと感想はこちらにザザッとまとめてありますので、ぜひ気になってくれてる方がいたらご覧ください。

2018年ポルトガル開催IMATAカンファレンス1週間の流れについて

 

なーんか書き残した事があるような気もしますが、要望があったり気付いた事があったりしたらその都度更新してまたお知らせしますので、また見にいらしてくださいね〜!

では、また!

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