飼育員が長期休暇を取得することは罪か?

こんにちは!画像は、飛行機から見つけた象の形に似た島です。笑

さて!今回はいきなり結論から申し上げさせていただきます。

飼育員が長期休暇を取得するのは、罪じゃない!!!

なかなか休みが取りづらいといわれる動物園水族館業界で働く私ですが、この度1ヶ月ほどの長期休暇を取得してひとりでヨーロッパへ行ってきました。

まず長期休暇申請のキッカケとなったIMATAカンファレンスというのがありまして、そのカンファレンスについての簡単な説明はこちらにまとめましたのでよければご覧ください。

世界中から海洋哺乳類トレーナーが集まるIMATAカンファレンスとは一体どんなものなのか?

今年のカンファレンス開催地はポルトガルということでしたので、アジア開催と比べたらとても遠い場所での開催という事になりますよね。
私もわざわざ狙ってヨーロッパ開催時に行く事にしたわけではなくて、本当にたまたま個人的な懐事情などでピッタリと「あ!!行くなら今年!!チャンス!!」と運良くタイミングが合っただけなのです。

IMATAカンファレンスというのは約1週間に渡って開催されるものになりますので、長距離フライトのため前後合わせて3〜4日程は移動で潰れてしまうと考えると、最低10日以上は休暇が必要だという事になります。

そして私はなんと厚かましくも上司に

「せっかくヨーロッパまで行くなら観光もしてから帰ってきたいんですけど…いいですか…?期間?……で、できればさんしゅうかん…くらいですかね……え?ちょっと長い?…ですよね……でもヨーロッパ、遠いし見どころたくさんありますよね……。え?有給休暇の数は足りるかって…?……た、たたたたります……!!!!!」

と、普通の社会人としてだけでなく動物園水族館業界で働く人たちからしたらそれはそれはもうアンビリーバボーな3週間(結局27連休にしたのでほぼ1ヶ月)の長期休暇のお伺いを立て、結果、許してもらう事が出来たわけですね。

某水族館で働く同期にこの事実を伝えたところ

「マジで!!!それうちでやったら殺されるわ!!!!!」

と驚かれましたので、他の園館からしたら考えられない程すごい事ということです。

でも、私は声を大にして言いたい!!!

有給休暇の取得は誰にでも与えられている当然の権利!!

日本人、働き過ぎだから!!

少しはみんな肩の力抜いて人生楽しもうよ!!

他国から来るトレーナーはほとんどが“出張扱い”なんて羨ましい状況の中で、私は自腹切ってわざわざポルトガルまで行くわけです。自己啓発の範疇と言われたらおしまいですが、自分で勝手に行くからにはちょっとくらい好きにしてもいいじゃんね!!!!!

しかしなにしろ期間は1ヶ月…。慎重に動かなければなりません。

もちろん、私がこれだけ自由にできたのにはいくつかの理由がありました。

まず、

“遊び目的でなくキッカケはあくまでカンファレンス参加だった”

ということ。

次に、

“私が正社員ではなく非正規雇用という立場(フルタイムなので勤務形態は正社員と全く変わらないが責任のあるポジションには就いていない)だった”

ということ。

そして、

“同僚に恵まれ、現場にチクチク嫌味を言ってくる人がいなかった”

ということ。

冷静に分析してみても上記のことは、今回私が長期休暇の取得を実現するためには絶対的に必要な前提条件であったと思います。

休みの取りやすい環境が整っている職場に勤めているにしたって…

有給休暇、取りづらいですよね…

この記事を見ている人の中で、比較的ホワイトなところにお勤めの方!(※ブラックは闇が深すぎるのでこの記事では除外)

正社員もしくは現場で中堅レベル以上の方に是非お願いしたい事があります。

自分から率先して有給休暇取って!!!

下が取りづらいから!!!

休みを取るというと上の方々は口を揃えて言うかもしれません。

「そんな事したら現場がまわらなくなるから無理!」

上の人からそう言われてしまったら「ですよね…」と言って諦めるしかないですよね。

それに自分は動物の事が好きで飼育員になったわけだし、狭い門をやっとの事でくぐり抜けて今の仕事が出来ているわけですから。休みを取るって、自分勝手な事、動物に対して無責任な事をしているようで不安になりますよね。

その気持ち、よーくわかります。私もそう思って6年間ずっと我慢してきましたから。

長い休みを取ると、動物達からもその期間離れる事になるし、その間に健康状態が変わったり投薬変更されたりする事があるかもしれません。運が悪ければ、いきなり体調が悪くなって何か処置が必要になる事があるかもしれません。

でも、それはどうしようもありません、相手は生き物です。担当している個体がいたとしても、その個体はあなただけのペットじゃないのですから他に優秀な飼育員たちがいて職場のサポート体制が整っていればなんとかなります。

動物は、あなたのものではない。

動物は、会社の資産です。

会社が資産を守るために適正な管理を行うのは当たり前のこと。

飼育員が一人休んだくらいで資産が守れなくなるとするなら、それは会社のマネジメント能力が不足しているせいです。

こんな事いうと海外海外うっせえなあと思われてしまいそうですが!

一年のうちのたった数十日の休みなんか、海外では取れて当たり前です!!!

全国におそらく潜在的に多数いるであろう長期休暇取得を夢見る飼育員たちは、一度ここで立ち止まって考え直してみる必要があるかもしれません。

自分は飼育員だからと我慢するのではなく、自分の事をひとりの労働者として客観的に見てみると良いのではないかなと思います。

心の中で願っているだけじゃ、誰も休ませてくれませんしね。

口に出して言うのってものすごく勇気がいる事ではありますが、まずは周りの同僚など同じ考えを持った人と考えを共有して、味方を増やしていく事が出来ればこの先心強いのではないかなと思います。

全国の動物園水族館で働く飼育員の方々には、もっと自分の事も大切にしてほしいな。

それではまた!

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