2018年ポルトガル開催IMATAカンファレンス1週間の流れについて

さて、IMATAが気になる全国の若手飼育員の皆さん、お待たせしました!

今回は2018年10月14〜19日の約1週間に渡ってポルトガルで開催されたIMATA(International Marine Animal Trainers’ Association)カンファレンスのスケジュールに関して、個人的な感想をざっくり交えながらお届けしていきたいと思います!

 

今回のカンファレンスに現役トレーナーとして日本から参加していたのは私だけでしたし、このサイトに書かれている事がIMATAカンファレンスに関する日本語レポートとしては最も(?)詳細かつ最新なのは間違いないのでIMATAに興味のある方は是非情報をまるっと受け取っていってください。

ひとりでも多くの若手海獣トレーナーに届き、カンファレンス参加へのハードルを下げる事ができるよう祈っています。

 

まず、IMATAのカンファレンスは毎年開催地が異なります。今年はポルトガルでしたが、来年はアメリカです。ちなみに昨年はメキシコでした。

開催地によって参加人数もだいぶ変わるようなのでその年によって規模の大きさは違ってきます。今年はヨーロッパということでやや少なめだったようですが、やはり欧米開催ともなると……という事で、来年の開催地の情報を見てみると今にもスターのコンサートが始まるんじゃないかというくらいかなりゴージャスで大きな会場だったので、来年のカンファレンスでは今年とはまた違った雰囲気のカンファレンスが楽しめそうですね。

 

さて、スケジュールについてですが、約1週間を通してポルトガルの会場で何が行われたのか!来年とはまた異なるスケジュールとは思いますがザッと書いていきたいと思います。イラストや写真なども一切挟まずただひたすらに1日の流れを書いていきますので、見にくい点についてはご容赦くださいm(_ _)m今後時間を作って少しずつ更新して改善していければと思っています。それぞれにかかった費用などは、もし希望があれば滞在費などと一緒に別でまとめようか考え中なので、もし何か他に知りたい事などあれば教えてください♪

また、毎朝同じように朝早い時間から参加受付、プレゼンター同士のミーティング、抽選会が行われていましたが、参加受付は一度済ませてしまえば必要がないのと、抽選会に参加するには別途抽選券を購入しなければならなかったので、私は毎朝それらをパスしプレゼンテーションの開始時間に合わせて会場入りしていました。という事で、以下のスケジュールに抽選会などの朝のルーティンは含まないという事と、それぞれにかかった費用等はこちらの記事では省略させていただく旨を予めお伝えしておきます。

 

10月14日(日) 1日目

アニマルトレーニング界では知らない人はいないという有名人のKen Ramirez氏によるセミナーが、午前と午後に分けて行われました。これはカンファレンスには含まれておらず、このセミナーを特別に受けたい人は別で申し込みをし料金を追加で支払う必要があります。

初日のスケジュール

午前はハズバンダリートレーニングについてのセミナーでしたがスペイン語でということだったのでこれはパス。しかし午後は動物の行動のエラーに対しどのように問題解決をしていけばいいのかといった内容のセミナーが英語で行われるという事だったので、午後分のみ料金を支払い参加させていただきました。決して安い金額ではなかったのではじめは参加するか迷っていたのですが、遥々ポルトガルまで行くわけですし「この際この機会に得られるチャンスには惜しみなくお金を使おうじゃないか!」と腹を括って参加してみました。しかし、そんな半信半疑な気持ちを持って参加した自分をバシバシッと平手打ちしてやりたいくらいの大満足感。申し訳ない。これは追加で料金払うだけの価値があったわ!と大声で叫べるほど素晴らしいセミナーでした。こんな上司と働いてみたい!と思いました。すっかりKen Ramirez氏のファンです。

セミナーが行われたのはこんな部屋

夜にはアイスブレイクといってプールサイドで軽い飲み会のようなものも開かれました。しかし会場から私の宿泊先が離れていたのと時差ボケで頭痛が辛かったので翌日からのカンファレンスに備えて早々に帰って休みました。ちなみにお金を持っている方々は宿泊先=会場となっているホテル(リゾートなのでめちゃくちゃ高い)なのですが、私は大手宿泊予約サイトから自分で探して安い宿を予約しました。アパートメントに泊まっていた為ご飯については朝と夜は自分で何とかしなくてはならず、片道徒歩30分のスーパーで買い出した食材と日本から持って来ていたインスタント食品でなんとか1週間乗り切りました。

ちなみに初日はアパートメントにオーナー不在で遠隔で部屋の鍵の受け渡しが行われただけだったので、キッチンに備え付けられたIHの使い方が分からず、水でふやかしてカップラーメンを食べました。

ひもじい気持ちに…

かなりの田舎だったのでひとりで気軽に入れるカフェやレストランもありませんでした。一番の問題は水で、お腹の弱い私はどうしても水道水を飲む勇気がわいてこなかったので5リットルの水を買い出して背中に背負って宿泊先へおっせおっせと運びました。時差ボケでひどい頭痛に悩まされる中、砂まみれの石畳の坂道を上るのは結構辛かったので個人的にこれはなかなか大変だった思い出です。

 

10月15日(月) 2日目

ついにIMATAカンファレンスの幕開けです。会場に入るにはRegistrationが必要になるので、時間に余裕を持って会場へ行きIMATAの受付で参加登録を済ませて首から下げるIDをもらってください。それがないと会場には入れないので気をつけてください。私は前日のセミナーからの参加だったので、その時にさっさと済ませておきました。オープニングセレモニーは朝の9:15から。そこからオープニングに関わる色々な催し物が続き、最初のフォーマルプレゼンテーションは12:00〜12:40(2つ)。その後IMATAビジネスミーティング、パネルディスカッションなどあって、15:30〜16:00で一度コーヒーブレイクがありました。クッキーやコーヒーなど軽食が出ます。この時に、スピーカーズテーブルといって、先程のフォーマルプレゼンテーションをしていた人が決められたテーブルで質問を受け付けているので、何か聞きたい事があれば直接質問しに行く事ができます。その後再びフォーマルプレゼンテーションが16:00〜17:20(4つ)行われひとまず終了です。その後自由参加とはなりますが18:30〜21:00でキャリアナイト、ワークショップが行われます。

 

10月16日(火) 3日目

ここからは次々とプレゼンテーションがタイムテーブルに沿って進められていきます。全員が揃うのを待って「はい、それでは時間になったので始めます」といった感じではなく、9:15からの抽選会が終わったらそのまま何気なくフォーマルプレゼンテーションに入っていってしまうので少し時間に余裕を持って会場入りした方がいいのと、動画を撮る方は(撮影OK)抽選会に気を取られていて録画ボタン押し忘れた(私がそうだった笑)という事がないよう油断しないようにしておいてくださいね。フォーマルプレゼンテーションは9:30〜10:30(3つ)、10:30〜11:00でコーヒーブレイクを挟み、11:00〜11:45でパネルディスカッションがあり、再び11:45〜13:05でフォーマルプレゼンテーション(4つ)、そしてその後13:05〜14:30でやっとランチです。プレゼンテーションは1つにつきだいたい20分程度ですが、間髪を開けずに次々と発表されていくため頭を整理する時間もないですし、英語に慣れていないと結構疲れます。

午後は14:30〜15:15でスペシャルプレゼンテーションがあり(この日は本物の犬がステージ上へ登場し犬のハズバンダリートレーニングの実演が行われました)、15:15〜15:45でコーヒーブレイクが挟まります。ブレイク後の15:45〜16:30も本物の犬をステージに登場させたライブデモが行われ、これが終わると一区切りといった感じです。夜は19:00頃から自由参加で前日に引き続きキャリアナイト、ジョブフェアが行われます。海外の水族館で働きたいと考えている方は、これに参加すると海外で働く絶好のチャンスが得られたりするかもしれないので、参加した方が良いと思います。こちらは前日と同じく21:00頃まで行われます。

 

10月17日(水) 4日目

この日は9:30〜10:20で朝1発目からスペシャルプレゼンテーション。そのまま10:20〜フォーマルプレゼンテーションに突入で(2つ)11:00まで続きます。11:00〜11:30でコーヒーブレイクを挟んだのち、フォーマルプレゼンテーション(3つ)が11:30〜12:30みっちり入ります。がしかしこの日は視察デイ!午後はみんなでバスに乗り込み今回のカンファレンスのホストファシリティであるZooMarinePortugalへ向かいます。そしてその後は……ほとんどパーティー状態です。笑

この日はIMATAの為に特別に用意された英語バージョン(普段はポルトガル語)でバードショー、アシカショー、イルカショーが行われました。また、事前に内容を見て各自申し込んでおいたチームごとに分かれ施設の見学を行いました。(人気の視察コースはすぐに定員に達してしまうので注意が必要です。カンファレンスの合間のコーヒーブレイク時に申し込みが行われていたので、そのタイミングを逃さないようにしてください。人が殺到して大混雑しているからとその場での申し込みを諦めすこし後に行ってみたら、その時には既に一番人気の視察コースは定員に達しており参加する事が出来ませんでした)現地でのスケジュールの合間にはワインや軽食も振る舞われ、終始自由かつ楽しげなムードで進行しました。ディナーは敷地内のレストランを貸切にしてブッフェ形式で。この時同じテーブルになった他の国のトレーナー達とは話しやすい状況になるので、多少人見知りでも親交を深める事が出来ます。このディナーは22:00過ぎまで続き、そのままダンスパーティーに突入です。DJがいて雰囲気を作ってくれるので、会場の片隅はクラブのようになります。この場に最後まで残るとするとホテルに帰り着く時間は夜中の1:00過ぎになります。ディナーを終えたらぼちぼちタクシーで帰る人もいます。私もこの時まだ時差ボケによる頭痛が続いており体調が万全でなかったため、早々にタクシーを呼んで帰りました。笑

 

10月18日(木) 5日目

前日パーティーだったからといって朝が遅れる事はありません。いつも通り9:30までには会場入りです。まずはフォーマルプレゼンテーション(3つ)が10:30まで。時間が押すこともありますが、その時はコーヒーブレイクに入る前に何時までに会場に戻って来ればいいのかをアナウンスしてくれます。よく聞いておいてください。コーヒーブレイクを挟んだあと11:00〜11:45はスペシャルプレゼンテーションです。この日はシニアズーロジカルアドバイザーの方が招かれていました。そして間髪あけずに11:45〜12:30までパネルディスカッションが始まります。左側の肘掛けにもたれiPadを固定して動画を撮ろうと試みていた私は、ずっと負荷をかけていた左側のお尻の骨と背中が固まり痛み出し、じっとしているのはもう限界でした。「動画を撮るなら絶対に三脚は持って来た方が良い。たとえ荷物になっても。」教訓です。

12:30〜13:45でやっとこランチです。13:45〜14:45でフォーマルプレゼンテーション(3つ)があり、14:45〜15:15でコーヒーブレイク。15:15〜15:55でフォーマルプレゼンテーション(2つ)があります。もうこの辺り頭の中ぐるぐるです。英語(しかもあまり聞き慣れていないヨーロッパ訛り)にも疲れてるし、あまりにも多い情報を受け取っているのに落ち着いて整理をする時間を取れていない、でも気になる事があった時にはせっかく質問できるコーヒーブレイクの時間を無駄にできないから、急いで質問をなんとか文章にしてスピーカーズテーブルへ向かう。こんな感じでした。

この後は15:55〜17:00でATAC COMMITEE GAME SHOW、17:00〜17:15で抽選会と続き一度解散です。そして19:00〜21:00でLeadership Workshopが行われました。今までの夜のスケジュールを見てお気付きになった方もいるかもしれませんが、結構不思議な間が空いているんですよね。その時に宿泊している部屋が近ければ一度帰って休むという事が出来ますが、私のように費用を少しでも抑えようと会場から離れている場所に部屋を取ってしまっていた場合、往復するという選択肢は大変なのでなかなか選ぶ事が出来ません。複数人で一緒に宿泊先を予約すれば多少は割安になるので、今後日本からカンファレンスへ行く方はできるだけ、「複数人で!」「できるだけ近くのホテルに!」宿泊する事をオススメしておきます。

 

10月19日(金) 6日目

いよいよカンファレンスも最終日です。9:30〜10:15でスペシャルプレゼンテーションがありまして、招かれていたスピーカーはGeraldine Lacaveという女性の獣医師でした。彼女はヨーロッパトップクラスの獣医師で、プレゼンテーション時に流していた処置時の映像を目にするだけでもとても刺激的で素晴らしかったんですが、私の勉強不足でいまいち専門用語がわからなかったりして、肝心の原因や処置した結果などを聞き逃してしまいました。(現在、撮影しておいた彼女のプレゼンテーションの動画を見ながら内容を解析中です…)

まあ…全てを丁寧にスライドに書いてくれる人ばかりではないのでこんな事もあります…。ああ……。がしかしこの後すぐ10:15〜10:45でコーヒーブレイクだった為、せっかく彼女と話せるチャンスを無駄にするわけにはいかない!と、迷わず彼女のところへ飛んでいった私。特に興味深い内容だったオットセイの出産に関していくつか質問をさせていただきましたが、やはり、プレゼンテーションの内容をバッチリ頭で理解出来てから行かないと、私の質問内容と彼女の発表内容がややかぶってしまった部分もあり失礼な事をしてしまったなと反省しています。にしても自ら話しかけに行かない事には繋がりも生まれないので、今後もIMATAへ足を運んで繋がりを拡げていきたいなら、こんな当たって砕けろ精神でも良かったのかな、とも思っています。

ここからは午後へ向けてラストスパート!10:45〜11:45はフォーマルプレゼンテーション(3つ)があり、11:45〜12:05でインフォーマルプレゼンテーション(2つ)がありました。そして12:05〜12:35で来年のアメリカ開催のカンファレンスについてのアナウンスがありました。そしてこれが終わると一度ほぼ解散のような感じになり、12:35〜14:00でランチタイムとなります。会場のすぐ外側に投票箱が設置されているので、自分が素晴らしかったと思うプレゼンテーションのタイトルと発表者名を書いて、ランチに行く前に投票してからその場を離れましょう。14:00〜15:30ではCommittee Meetingsが開かれますが、興味のある人だけ参加するというスタンスで大丈夫です。

次の集合時間は17:30です。この空白の時間に何をするのかというと、一度宿泊先へ帰って夜のバンケットに備えて準備をします。何も知らないままIMATAカンファレンスへ来た初参加者達はここでピンチに陥りがちなのですが、この最終日の夜に限ってはドレスなりスーツなりややフォーマルな服装に着替えてから出直して来る事が必要です。何も知らずにカンファレンス時と同じノリでパーカーなんかで行ってしまうと恥ずかしい思いをする事になりますのでお気を付けて。。実際に周りの人たちを見てきた感想としては、結婚式に参列する程かっちりした服装じゃなくて大丈夫。ちょっと良いレストランに行っても入り口でドアマンに止められない程度で大丈夫。笑   しかし雰囲気見てると日本人はやはり浴衣がアピールにもなって良いのかも、と思いました。荷物にもなるしちょっと面倒くさいですけどね…余裕のある方は是非。笑

さて、17:30に集合してからのスケジュールに戻ります。17:30 Transfer to Zoomarine、18:30〜19:00 Cocktail Reception、19:00〜21:00 Honors&Awards Banquet、21:00〜⁇ IMATA Dance Partyといった流れでどんどん会場を移りながら進行していきます。バンケット以降はずっと同じ会場です。「〜⁇」って怖いですよね笑 文字通り何時に帰れるかはわかりません…。何でみんな朝から夜までこんな元気でいられるのか不思議なくらい海外のトレーナー達のパワフルさは半端ないです。ちなみに私は23:30頃にタクシーを呼んで帰りました。なんかごめんなさい。笑  でも、最後まではこの先も無理かな。笑

 

はい!!!!!というわけで、ザッと1週間分の流れを書き起こしてみました!今後参加する予定のある業界人にしか役に立たない記事かもしれませんが、少しでもお役に立てれば嬉しいです!

今後、もうちょっと詳しいところについては、記事を更新しながら追加していければと思っていますので、こまめにチェックしに来ていただければと思います!

それではまた!

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